2010年 12月 22日
昭和レトロ |
上の写真は先日の食卓展で、棚に置いたティーセットです。
フランス家具にかこまれた部屋で、左の「モネの庭」の絵本を見ながらアールデコ調のケーキ皿とカップ&ソーサーのセットでお茶をしているイメージです。
このティーセットは昭和初期あたりに、
輸出用に作られた物なのか、
カップ&ソーサーの裏には「Noritake Thina」
「Nippon Toki Kaisya」の文字が見えます。
ケーキ皿には「サスト陶器会社製」の漢字と
「SASUTO Tokikaisya]のアルファベットが見えます。
不思議なことに作った会社が違っていても、3点とも淡い藍色のまったく同じバラの図柄です。
二つの会社の関係はどうだったのでしょう?
転写技法(=プリント技法)なので、あの「オールドノリタケ」の後に作られるようになった、エコノミー品かと思われます。
幼いころから、このケーキ皿にリンゴがのっていたり、無花果がのっていたりして、
当時としては特別の思いはなても、和食器中心の家庭の中で、
何かお洒落な感じがしていました。
一方、カップ&ソーサーの方は見たことがなく、何年か前まで存在を知りませんでした。
戦後は高度成長とともにどんどん新しいものが生産され、母は思いに思って買い求めてたノリタケのティーセットや、頂き物のティーセットを使っていました。
このセットは祖母が買ったの物らしくアールデコ調の単純な造りのものなどは、
古臭くて母は好きではなかったようです。
「古い物なんか使いなさんな!新しいいいものが沢山あるじゃないの。」とよく言っていました。
母の時代から私の時代へ移ると、レトロなものが見直され、骨董ブームがやってきました。
ちょっとした記念にかこつけて骨董の食器を買ったりしました。
が、やはり代々伝えられてきたものは格別です。
特にセンスの良かった祖母の顔を思い浮かべながら扱う日常は、自然と丁寧な動きになり、しみじみと安らぎを感じます。
昭和のものは明治のものより大量生産ベースになり、デザインも単純になり、
どこか、ほっとさせる大らかさがあります。
新建材で建てられた現代の家には骨董といっても、昭和あたりのものが、とても合うように思います。
残り少なくなてきたカップにデンマークのロイヤル・コペンハーゲンを合わせてみました。
ハッと息をのむほどピッタリです!
昭和の大らかさと北欧の単純明快なデザインがこんなに調和するとは気が付きませんでした。
by table-harmony
| 2010-12-22 15:32
| 日々のつれづれ