2012年 03月 09日
何か特別のユングフラウヨッホJungfraujoch(49) |
アルプスは、登山家が山を登り、観光の人たちは山を眺めるだけかと思っていたら、
何と、スイスという国は運動不足の私たちがエッチラ、オッチラ登らなくても、
山の頂までロープウェイで連れて行ってくれたり、防寒着を着て、鉄道に乗れば、
大氷河のそばで下してくれる。
ありえないことが可能になる、夢のような国なのだと、スイス滞在11目にしてやっと気が付いてきた。
今日行こうとするユングフラウヨッホもしかり。
ホテルの窓から見える巨大な岩盤の山のどこかに(標高3454m)に連れて行ってくれると言う。
しかも早朝に出れば、お昼には帰ってこれるというのだから、
まず、ありえない話だ。
あたかも、月旅行するかのような途方もない冒険ができるタイムマシーンの国ように思えてきた。
スイスの人はすごいことを考える。日本では鉄道が開通して20年余……の頃、
小さな国のスイスではアルプスの岸壁に穴を開け、
ヨーロッパの屋根の上まで列車を走らせる工事を始めた。
線路の間に歯車をかませ、 16年の歳月をかけて完成させ、人々の夢をかなえてしまったのだ。
夜中は満天の星。朝5:00は曇り。
山頂は曇って何も見えないかも知れない。
今日行くか、行かないかは、賭けのようなもの。
残り少ない日程を考えれば、今日決行するのがベストか?
結局、予定通り混まない早朝に発つことにする。
行先はユングフラウヨッホ。
ホテルの窓から見ると、
6:00に駅舎の明かりがついた。
人がポツポツと見えてきたのでホテルを出る。
6:30窓口が開き、早朝割引チケットを買う。始発は7:15.
出発まで時間があるので一旦ホテルに帰り、休憩。
7:00前から人が増えだし、何組かの日本人に出会う。
グリンデルワルトを出ると、緑が爽やか!・・・・・・アイガー山頂は雲。
針葉樹林、牧草地、素朴な家。
地上から空の上まで、見渡す限り全てが新鮮で、神々しい。
クライネシャイデックで乗り換える。
人の流れに従っていくとユングフラウヨッホ行きの電車に乗れる。
ここで積み残されることはなく、乗客がいる限り、500mぐらいの間隔で次から次へと発車していく。
時刻表には関係ないようだ。
アイガーグッラシャー駅を出ると、すぐにトンネルに入り、岩肌だけが見える。
トンネルの中で停車したとき、駅員の「ユングフラウヨッホ!ユングフラウヨッホ!」という声高の肉声に、何か異変が?と思ったが、
もうここはスピーカーは使われていない駅。
9:00前に到着。
全長7キロのトンネルを走ると、そこは標高3454mの駅だった。
エレベーターで一番高いスフィンクステラス(3571m)へ。
外は雲と霧で真っ白。ほとんど何も見えない。
気温はマイナスと思われるが、
そんなに寒さは感じない。
雪が降りかかる。
時折姿を見せる、世界最長の「アレッチ氷河」
左『「ベルナールカフェ』は強いアルコールが入っていて、ほとんど飲めない。
右の『ショコラ」はやっぱり美味しい。
ここで家族に葉書を書いてポストに入れる。
ここは日本の富士宮市と姉妹縁組を結んでおり、日本のポストが設置されている。
切手も簡単に買え、オリジナルスタンプが押してもらえる。
今朝、ホテルで作ってもらった『ランチパック』を取り出して、カレースープと共に食べる。
『ランチパック』の袋には、これらのパン、クラッカーのほかにキウイとリンゴが入っていた。
スープを選んで、思い出深い美味しい朝食が取れた。
これも、曇りで人が少なかったお蔭・・・。
12:00までにユングフラウヨッホを出発しなければいけない(早朝割引の決まり)が、
時間がたっぷりあるので、映写室でアルプスの美しい映像を楽しんで、
帰りの電車に乗った。
by table-harmony
| 2012-03-09 00:11
| スイス紀行 2011