2008年 09月 22日
無花果ジャムは母の味 |
昔から古江の無花果は皮が柔らかく、美味しいので有名です。今では「古江いちじく」とブランド名が付いて、他のとはお値段が高くなっています。
古江生まれの私は、採ってきては置いてある無花果をそのまま、手を伸ばして、いつとはなく食べるのが習慣でした。
この無花果も、一たび雨に当たると、甘味が抜け水っぽくなり、かなり味が落ちます。
そこで、母はそういった無花果をいつもジャムにしていました。
鍋でクツクツ煮るのですが、トロトロの無花果が飛び散ると、火傷をするぐらい熱いので、弱火で気長に煮詰めます。今なら最後にレモン汁を加えますが、当時は母が知らなかったのかどうか・・・一切、柑橘系の汁は入れませんでした。
甘味を控えた優しい味の柔らかめのジャムをパンにこぼれんばかりに、たっぷり乗せてこぼしながら食べるのが好きでした。
「これが幸せっていうものかしら?」なんて思いながら、今でもこぼしながら贅沢に食べてます。
あの酸味の少ないトロトロジャムが私にとっての「母の無花果ジャム」です。
私がいつも作っているジャムも母と同じもの。これからも変わることなく作り続けるでしょう。
by table-harmony
| 2008-09-22 11:05
| 暮らしのエッセンス