2008年 09月 23日
お彼岸 |
近頃はつぶあんが幅を利かせ、ごま、黄な粉、青海苔などが彩りよく,並べて売られていますが、こういった売り方は最近のことです。
私が子供だった頃の話です。
おはぎを作るときには前日から用意をします。漉し餡作りは、夕飯が過ぎた時刻から始められました。
すり鉢で茹でた小豆をつぶし、晒しで作った袋に小豆を入れて力強く水の中でこねます。そうすると小豆の中身のでんぷん質が布目から出てきます。
何度も、何度も繰り返し、水の底にでんぷんが沈殿して、溜まってきます。
上澄み水を捨てると、残ったものが漉し餡の餡の元です。袋に残っているのは小豆の皮なので、すてます。餡の元をお鍋に入れて、お砂糖を加えながら、気長に練り上げていきます。
翌日、もち米とうるち米の御飯を炊き、半つぶしにしたら、お団子に丸めます。
出来上がっているあんこをまぶし、晒しの布巾で形を整えたら、出来上がりです。
かなりの数のおはぎを作っては、お重に並べていきます。それを親戚や、知り合いに配るのです。それは姉や私の役割でした。
それぞれの家庭の味があり、差し上げたり、いただいたりして「今回のできは・・・云々」と話しながら家族の団欒の中心に「おはぎ」がありました。
昔は今のように甘いもの(スウィーツ)が無かったので、江戸時代の頃から、おはぎが、仏前に供えられたり、社交のひとつに使われるようになりました。
春のお彼岸のときは、牡丹の花にちなんで「ぼたもち」とよばれ、秋のお彼岸には萩の花にちなんで、「「おはぎ」とよばれています。
風雅をめでる日本人らしく、風情のあるよび名と、思いませんか?
美しい自然と季節のある日本に生まれて良かったと思うこの頃です。
和菓子 みよしの
by table-harmony
| 2008-09-23 23:15
| 日々のつれづれ